うり

「ホルモン…」

譫言のようにつぶやきながら、吾輩は何かに取り憑かれたぬこのように家の扉を開けた。

うりの前まで来てみると、はたして店の明かりはわずかな灯火を残すのみであった。仕方なしに隣のセブンイレブンへ寄り、慰み程度に野菜ジュースとネギ塩豚カルビ弁当なる物を買った。烏龍茶は水道水で我慢することにした。

駐輪場に戻るとこいろはが来ていた。吾輩はポケットに忍ばせておいたスティックチーズを指で細切れにし、半分ずつをこの母娘に分け与えた。

ははいろは

こんばんは!

ははいろは

こんなに遅くでも待っててくれるぬこがいます。って、あれ、ついてこないのか。腹はいっぱいか orz

のらは気高い。

加藤あいと鈴木杏樹の区別が付かない。

三井住友銀行の ATM から三菱東京UFJのカードで金を下ろしたら￥210 の手数料を取られてイラつく。

はっ!

節制しようと宣言したかばりなのにな何故コンビニに入ってしまったのか! バツが悪いのでサントリーの烏龍茶だけ買って SHOP 99 に行きぶどうパンを一袋買う。

家の前にははいろはとこいろは、まっくろがいたのでチーズで釣ってみるが、流石に部屋には入らないな。餌に夢中になっている隙に撫でまくる。

昼間の喧噪が幻のように静まり返った住宅街。時折、まだ固い椿のつぼみが落ちる音がする。ぬこ達が思い思いの距離をとりながらくつろいでいるなかに、吾輩も腰掛けている。そんな間が良かったりする。

こいろはざんまい

駐車場の前を通ったが誰もいなかったので行こうとしたらこいろはが飛び出てきた。生憎なにも持っていなかったので向かいのヤマザキでちーたらを買う。しかし店を出ると既にこいろははいなかった。もしやと思い家に戻るとそこにいた。こいつはなかなか賢い。

コミミトビネズミという小動物が気になっている。

ぬこ

…。

ははいろは

ははいろはが待っていた。

ぬこざんまい

駐車場の前を通ったらちゅーしゃとこいろはがウチまで付いてきた。そこへ偶然をよそおってははいろはも現れる。マンソンの入り口は知った顔が集まった。

ぬこ

ここ暫く、まともに笑った記憶がない。なんと悲しき人間だろう。束の間の没頭でしかこの得体の知れぬ圧迫感から逃れられず、果たして生きる間に安堵の時代は訪れるのだろうかという自問も闇雲でしかなく。

吾輩を見ているのはチーズが目当てのぬこだけと来たか。

風呂吹き大根が食べたい。それと味噌田楽。

ぬこまっしぐらデー

おお、久し振りにこいろはとちゅーしゃそれにまっくろ。急いでコンビニに飛び込みちーかまを購入し真田紐ストラップで十分に遊ぶ。

ははいろは

てめー、ついてくればいつでもチーズがもらえると思ったら大正解だ。そういえばこいろはを久しく見ていないが生きてるかな?
再び寒くなったせいかボスまっくろの鳴き声が聞こえなくなった。だがたまに威嚇合戦の声は聞こえる。
まめとらは元気でやっとるかのー。

ははいろは

もはやチーズにしか見向きをされなくなってしまった。

こいろは

あ、一本向こうの道をこいろはが散歩してた。ちゅーしゃとまめとらは居る気配がないなぁ。まぁまたいずれどこかで会えるさ。吾輩を忘れてないだろうな。今日のははいろはとこいろはですら「誰あんた?」って顔してたのに。

真田紐のストラップと十分格闘した後、ははいろはとまっくろとで行ってしまった。

駐車場

最近、マジで誰もいない。子離れが済んで深夜に活動する必要がなくなったのか。
と思ったらははいろはとまっくろ出てきた。ちゅーしゃとまめとら、何処かへ旅立ったのかな━…

ぬこ

ホンマチ６丁目の集会所のような建物付近もぬこがよくいる。毛長族のノラは大変そうだ。このへんでよくボスまっくろを見かける。ヤツのテリトリーなのだろう。