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吾輩のような後ろ盾も守るものもない人間は、身一つで戦火の中に飛び込んで行けるため乱世の生き渡りは都合が良い。だがソフトウェアなんて代物は高々50年程度の歴史の浅い業界。頑張れば三十路までに大抵のやりたいことをやり尽くし、大抵のことはできるようになり、そしてやりたい事が頭打ち気味となってしまう。守るものがない人間は平和に弱く、自分に理由を見いだせなくなってしまうと途端に何も出来なくなる。会社勤めで結婚していて、組織のため、家族のためという名目を背負える人の方が長期的に見て強い人間である。
いつの間にか新東京タワーがここから見えるほどの高さになっていた。まだ足の段階であの高さではこの近辺では飛び抜けて高い建物になるのだろう。あれが完成する時、吾輩はまだここに居るのだろうか。それとももう居ないのだろうか。いま吾輩を支配しているのは圧倒的な絶望感だけである。それ以外は何もない。
2009/09/01 (火) 17:38 | 中継 | トラックバック(0) | コメント(2) | 編集